法相宗の大本山で、本尊は薬師如来です。天武天皇の遺勅により、698年(文武天皇2年)藤原京に完成しましたが、平城遷都に伴い現在の地に移されました。伽藍は、中央に金堂、前方に中門、後方に大講堂を置き、中門左右から大講堂へ回廊が延び、金堂手前の左右に東塔・西塔が建つという独特な配置であり、薬師寺式伽藍配置と呼ばれています。「凍れる音楽」と称される東塔(国宝)は、創建当時唯一の遺構で、各層に裳階(もこし)といわれる小さな庇が付いた三重塔です。
仏教彫刻の最高傑作の一つとして名高い金堂本尊の薬師三尊像のほか、東院堂の聖観音菩薩立像、吉祥天女画像、仏足石・仏足石歌碑などの国宝、弥勒三尊像、弥勒菩薩坐像などの重要文化財を所蔵しています。
1998年(平成10年)に「古都奈良の文化財」の一つとして世界遺産(文化遺産)に登録されています。