金峯山修験本宗の総本山で、本尊は蔵王権現です。白鳳年間(7世紀後半)に修験道の開祖・役小角(えんのおづの)が金峯山で感得した蔵王権現を桜の木に刻んで祭祀したのが起源と伝えられています。山上ヶ岳と吉野山一帯は金峯山と呼ばれ、古来霊地として信仰され、奈良・平安時代には高僧や修験者の修行地として発展しました。
本堂の蔵王堂は、数度の焼失・再建後、1592年(天正20年)頃に完成したもので、木造では東大寺大仏殿に次ぐ大建造物です。二王門とともに国宝に指定されています。また、金銀鍍金双鳥宝相華(ときんそうちょうほうそうげ)文経箱、金銅経箱台付、千手千眼観音画像などの国宝や、秘仏本尊・金剛蔵王権現3体、銅の鳥居、金銅装笈、木造童子立像、青銅大灯籠などの重要文化財のほか、数多くの寺宝を所蔵しています。
2004年(平成16年)に「紀伊山地の霊場と参詣道」の一部として世界遺産(文化遺産)に登録されています。