真言宗豊山派の総本山で、本尊は十一面観音です。686年(朱鳥元年)道明が銅板法華説相図を鋳造、初瀬山の西の岡に安置し、727年(神亀4年)徳道が発願、東の岡(本堂)に十一面観音を祀ったと伝えられています。
仁王門から本堂までの登廊(重要文化財)は399段あります。現存の本堂(国宝)は1650年(慶安3年)徳川家光の命により造営されたものです。本尊の十一面観音菩薩立像(重要文化財)は1538年(天文7年)の作です。右手に錫杖(しゃくじょう)、左手に蓮華の入った水瓶を持ち、観音菩薩の慈悲と地蔵菩薩救済の誓願をあわせて示現する独特の形式になっています。『法華経』28巻、蒔絵経箱、銅板法華説相図などの国宝や、銅造十一面観音立像、木造不動明王坐像、木造地蔵菩薩立像などの重要文化財を所蔵しています。
桜、牡丹の名所であり、花の御寺として、また西国三十三ヶ所第8番札所として、多くの参詣者が訪れます。