真言宗豊山派の寺院で、正式名称は壺阪山南法華寺、西国三十三所第6番札所です。本尊は「壷阪観音」として知られる十一面千手観音です。703年(大宝3年)元興寺の僧・弁基が水晶の壺を坂の上の庵に納め、感得した観音像を刻んで祀ったのが始まりと伝えられています。礼堂本尊の十一面千手観音菩薩坐像は、古くから眼病に霊験あらたかなことで知られ、『枕草子』」にも寺名の記述が見られます。お里・沢市の夫婦愛物語である人形浄瑠璃『壺坂霊験記』の舞台としても有名です。
室町時代に建立された三重塔、礼堂は重要文化財に指定されています。全長20m、全重量1,200tの天竺渡来大観音石像をはじめ、巨大石像が点在しています。奥の院とも称される香高山山中には五百羅漢の石仏群があります。寺宝の絹本著色一字金輪曼荼羅(こんりんまんだら)、鳳凰文甎(ほうおうもんせん)は重要文化財に指定されています。